珈琲花・観察ブログ

コーヒーの苦味と酸味

 

コーヒーはあくまでも嗜好品です。
「このコーヒーが好き!」とハッキリ言える方はそれでOK!
幸せですね。
では、そのコーヒーはなぜ美味しいのでしょう?
と言うより、「なぜ美味しいと感じるのでしょう?」
 
ここにシンプルな「コーヒーを楽しむ極意」があります。
簡単なのです。
今よりもっとコーヒーを楽しめるようになる為には、たった1つのことを意識するだけで良いのです。

それは「苦味(にがみ)」です。

大切なことはこれだけです。これがコーヒーの全てと言って良いのです。

では、その話をこれからしていきましょう。
 
 

コーヒーの苦味と酸味

萩原珈琲・抽出中

 大雑把に分けますが、コーヒーの味と香りを生み出すのは、コーヒー豆の苦味と酸味のバランスです。そしてチェリーの実(正確には「種」)を焙煎した上でコーヒーとして飲む以上、コーヒーたる所以は「苦味」の質にあります。酸味は本来の実に備わっている要素であり、苦味は焙煎で引き出す要素だからです。
コーヒーの美味しさとしての酸味は、苦味が分からない限り分かりません。この2つの要素はセットなのですが、「苦味」の方がはるかに重要なのです。
 
 
しかし、残念ながら人間の味覚は、最初からコーヒーの苦味を味わえるようには出来てないのです。
 
子供の頃、お父さんの飲むコーヒーを飲んでみたことがあるでしょう?
どんな美味しいものを飲んでるんだと思って舐めてみたら、「苦い!!」
「なんで大人は、こんな苦いものを美味しい美味しい、と言いながら飲んでるんだ?」
と思ったはずです。
子供にコーヒーを飲ませても苦いだけですが、苦味が分かるようになった人には「美味しい」ものになるのです。
 
 

カレーに例えてみましょう。

カレーをほとんど食べない人を、絶品のインドカレーの店に連れて行き、複数の香辛料の旨味、フルーティな味わいを楽しんでもらおうと思っても、辛いものを日頃食べない人には、その絶品カレーは辛いだけです。「こんな辛いもん、よう食べとんな。」と言われ、ガッカリです。
甘いカレーしか食べたことがない人は、辛いカレーの旨味は分かりません。何度も辛いカレーを食べることで、辛さの中の香辛料の違い、旨味の違いを感じられるようになり、様々なカレーを楽しめるようになります。しかし、カレーの王子様しか食べたことのない人には、その回路が開いていないので味わうことができません。辛いだけです。

上手く伝わっているでしょうか?
単なる「苦味」が目的ではないのです。苦味の中に元々一緒に存在している旨味を味わう為に、まずは「苦味に慣れる」ということが、コーヒーの美味しさへの道なのです。苦味のコクが分かるようになると「酸味」の強いコーヒーを「あっさりした味」と感じるようになります。
ここに、コーヒーの「苦味」と「酸味」による面白さがあります。

キリマンジャロのような酸味の強いコーヒーが好きな方も、その方は必ず「苦味」を味わう回路が開いています。そうでなければ、キリマンジャロを「あっさりしてて美味しい」とは言えないのです。ボディ感たっぷりの苦味のあるコーヒーの味も分かるからこそ、キリマンジャロを「薄み」ではなく「酸味」によって「あっさりしてる」と感じることが出来るのです。
コーヒーを飲んだことがない人に言わせれば、キリマンジャロでも苦いだけなのですから。

苦味を味わう秘訣は苦味ですが、
酸味を味わう秘訣も苦味なのです。

これがコーヒーなのです。
酸味だけが味わいたければチェリーを食べてればいいのです。

 

阪神芦屋の喫茶店・珈琲花
住所 〒659-0064 芦屋市精道町4-14

 芦屋市役所から徒歩3分の喫茶店です。
駐車場のある芦屋の喫茶店です。

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