萩原珈琲・炭火焙煎の秘密

萩原珈琲のコーヒー豆、その品質を生み出すものとは?

萩原珈琲・神戸工場創業から90年の歴史を持つ萩原珈琲は、1928年に日本で最も最初に炭火焙煎によるコーヒー豆を開発した神戸の企業です。
創業当時は多くの同業者も炭火焙煎を採用しましたが、高度成長期には都市ガスの普及により、その多くの同業者が熱風式ガス焙煎による大量生産へと変わっていきました。しかし萩原珈琲では効率よりも独自のおいしさの為に、手間のかかる炭火焙煎にこだわり続けました。
 
炭火焙煎は、遠赤外線効果で中から焼けていきます。ガスと違って豆の内側にも均等に火が通り平均的に焼ける為、コクの有る豆が出来のです。
口に含むとしっとりと馴染むまろやかさがあり、後味も良く、冷めてもそのおいしさは変わりません。(内側がしっかり焼けていないコーヒー豆を使ったコーヒーは冷める程に酸味が強くなっていきます)
 
コーヒーは、深煎りになればなるほど焙煎方法によって味に違いが出てきます。
 
   
この萩原珈琲の豆がどのように作られるのか、萩原珈琲の神戸工場に見学に行って自分の目で確かめてきましたのでご覧下さい。

 
 

萩原珈琲のコーヒー製造方法

厳選されたコーヒー豆の輸入

萩原珈琲が原産国から輸入した豆萩原珈琲は全世界から20種類のコーヒー豆を輸入していますが、それぞれの国の豆の中でも最上位の豆を厳選して扱っています。
例えばブラジル・サントスであれば、最高級の「ブラジル・ナンバー2」という豆の中から、萩原珈琲の望むものに合うものを、ブラジル現地の鑑定士のマルシオさんという達人が更に選びます。
 
ブラジルの産地では現地から各国へ珈琲豆が出荷されますが、上質のブラジル・ナンバー2の豆を出荷する萩原珈琲用の麻袋には、「ブラジルHAGIHARA」と印刷されており、現地でも萩原珈琲用の出荷体制が出来ているのです。
 
ブラジルHAGIHARAの麻袋ブラジルコーヒーは、基本的に水を使わずに、チェリー(アラビカ)の状態で天日乾燥します。
コロンビアコーヒーは逆にチェリーの段階で水を通し、更に種子になった後も洗います。こうしたプロセスの違いがそれぞの種類の個性の違いになるのです。

萩原珈琲のコーヒー製造方法

焙煎前の豆を磨く。

萩原珈琲・神戸工場のふるい

各国から神戸工場に届いたコーヒーの生豆は品種ごとに管理され、製造する分だけが生産ラインへ乗せられていきます。
まず最初の工程では、生豆の状態で撹拌しながら、表面を磨いていきます。また大きなふるいにかけることで、現地で混入した異物を分けていきます。
更に、金属も磁石によって除去出来るシステムが搭載されており、不純物の混ざらない、きれいに磨かれた生豆だけになっていきます。
磨かれた豆は種類別にサイロに保管され、焙煎する量ごとに窯に送り込みます。
不純物の除去は当然ですが、生豆の表面を磨くことは他のメーカーではあまりやっていません。これは焙煎時の火の通りを均等にする為です。高い品質で一定化させる為の萩原珈琲の見えないこだわりの部分ですね。

ここまでの工程はオートメーション化されており、焙煎師が焙煎に集中出来る環境が整っています。
萩原珈琲・神戸工場のサイロ

 

萩原珈琲のコーヒーの炭火焙煎

焙煎師による職人技の炭火焙煎

萩原珈琲・神戸工場の焙煎窯

萩原珈琲は炭火で焙煎しますので、工場の1日の始まりは炭火の火おこしからです。
備長炭を使うのですが、季節による違いはもちろん、その日の天気によっても炭の量を調整し、どんな条件でも同じクオリティのコーヒー豆を焼き上げる為に細心の注意を払います。
萩原珈琲の焙煎工場には3人の焙煎師がいますが、この3人以外、窯をさわることは出来ません。社長であっても、窯をさわることは出来ないのです。
 
萩原珈琲神戸工場の焙煎窯の温度は230℃磨かれた豆が、焙煎装置に入れられ、1回に20Kgずつ炭火焙煎していきます。
温度は最高で210度~230度くらいまで上がり、品種にもよりますが1回の焙煎時間は20分~25分くらいです。
窯の中の音、豆の色で焼き上がり具合を判断していきます。
焙煎師の方は焼き上がる頃には、何度も豆の状態をチェックしていましたが、焼きあがったかどうかは、最後は各焙煎師の感覚による判断です。

萩原珈琲の工場の焙煎窯

 

萩原珈琲・神戸工場

本物の炭火焙煎コーヒー豆の完成

萩原珈琲の炭火焙煎の完成

焙煎直後のコーヒー豆は200℃の熱をもちますので、持てないくらい熱いです。(私も一粒だけ手のひらに取りましたが、持ってられませんでした)
焙煎された豆はさまされた後、袋に入れられて1日置いておきます。
これによってガス(二酸化炭素)を抜くのです。
 
萩原珈琲・炭火焙煎のガス抜きコーヒーを淹れるときに、お湯を注ぐと膨らむのはガスの性質によるものです。
新鮮なコーヒー豆程、二酸化炭素を含みますのでよく膨らむわけです。
お湯を注いだ時に、コーヒー豆が膨らむのは鮮度の証です。(膨らみ方の度合いは豆の品種によって変わってきます)
 
この炭火焙煎によって焼かれる豆には「極深」というのがありますが、もうあと一歩で炭になる直前まで焼きます。それはもう超フル・ボディです。
ガス焙煎では、中が焼ける前に外側が焦げきってしまうので無理なのです。
炭火焙煎なら中側も外側も均等にギリギリまで焼けるのです。
コクのあるコーヒー程、炭火で焙煎するメリットがある、ということですね。

工場で作られたコーヒー豆は、車で15分程の本社へ運ばれ、全国の顧客の元へ出荷されていきます。

萩原珈琲・神戸工場

 
萩原珈琲さんに感謝です!

珈琲花でお出しするコーヒーは、このように工場の焙煎師さん達の熟練の技術により、長年受け継がれてきた炭火焙煎による高い品質のコーヒー豆があってこそ、お出し出来るのです。
このことに感謝し、これからも美味しいコーヒーを淹れていきたいと思っています。

 
珈琲花が炭火焙煎の萩原珈琲の豆にこだわる理由は、「コーヒーを楽しむ極意」に書かせて頂きました。こちらもぜひお読み下さい。
 

 おまけ
萩原珈琲神戸工場の写真を撮るゆきちゃん

萩原珈琲神戸工場の写真を撮るゆきちゃん

 

1)コーヒーを楽しむ極意 → 2)萩原珈琲・炭火焙煎の秘密(←今ココ) → 3)美味しいコーヒーの秘訣 → 4)お勧めのコーヒー2つ → 5)サントスニブラ・応用編